この恋が終わったら、同時に私の人生もオシマイ。
カレのいない人生なんて生きる価値がないわ……。
恋愛が危うい局面を迎えるたびにオンナはそんな風に考えちゃう。
カレからの連絡が疎遠になったり、決定的なけんかをした後って、何をしてても誰と会っても全然楽しくない!
大勢の中で一生懸命作り笑いしてる自分ってものすごくみじめだもの。
オンナという生き物は、しょせん恋愛という鉢植えに咲く花なのかもしれない。
鉢からの養分が途絶えると綺麗に咲けないし、みるみるうちに朽ちてしまうみたいな。
しかも鉢植だったらどこでも咲けるのかというと、ひどく厄介なことにアイツという鉢植えでしか生き生きと美しく咲けないときているから救いようがない。
オンナが背負うひとつの宿命なのかもしれない。
でも、恋は終わる。
どんな恋も終わる。
基本的に終わらない恋なんてないのかもしれない。
お互いの歯車が狂い始めて、或いは熱病が冷め始めて、或いはほかに心を奪われて、或いは結婚という通過儀礼で変容して徐々に終わりに向かう場合も
あれば、ついこの間まで幸福の絶頂だったのに
いきなり谷底に突き落とされるような残酷な終わり方もある。
いわば、恋愛の突然死。
それは、もしかしたらカレのたわいもないよそ見だったり、
或いはカレの言いがかりみたいな嫉妬だったり。
何かで不和に着火した途端、急にカレが他人みたいなよそよそしい言葉を使う。
「知りませんよ、ボクは……。」みたいな。
昨日まで「全力でキミを守り抜くよ。」って耳もとで囁いてくれていたのに、
あれは誓いの言葉でも何でもなく出まかせだったの!
じゃなければまるで二重人格者だわ、怖い人。
もう嫌い! 信じられない! っていうことになる。
こんなふうにして一体幾つの恋をスクラップにしてきたことだろう。
スクラップされた恋は丁度車窓から眺めながら行き過ぎていった風景に似てる。
この鉢植えがなくなったら生きていけない、オンナとして
もう咲けないって悲鳴に近い声をあげたはずなのに、
行き過ぎてしまうと、そうかあんな風景もあったっけ。
なんで、あんなつまらない風景に執着したんだろうって
思うことさえある。
この生まれながらの現金さと鈍感さがあるから、オンナはいちいち死なずに植え替えを
繰り返しながら咲いていけるんだろうね。





