幸せをつかむ LOVE握力

 

Vol.54 永遠の愛

 

 

燃えさかる激しい恋が真紅のサテンだとしたら、
慣れ親しんだ恋愛は生成りのフランネルのようだ。



サテンを纏うときのゾクゾクするような緊張感も勿論捨てがたい。
でも、フランネルのぬくもりは人生にさらに密着した存在だと思う。
これを失ったら生きていけるんだろうかと思うくらいの・・・・・・。
どんなに格好つけて強がって生きている人間でも、フランネルに
鼻をこすりつけ肌寄せる瞬間があるから、虚勢も張れるのだ。
ハラハラドキドキするような恋の駆け引きだけに身を投じていたら
いかに強い人間でも磨り減っちゃう。



通り慣れた散歩道を歩くようなセックス・・・・・・。
激しさの中に信頼感がこもってて。
いいなぁ〜、憧れちゃう。
懐かしくって、とびっきり愛おしい体臭・・・・・・。
ほら、幼い頃経験があるでしょ?
使い古いしたタオルってお母さんの匂いがするようで
これに顔うずめると安心して眠れったっていう。



彼の車の助手席は私の特等席。
彼の腕は私だけが絡められる専用。
そして、彼の胸は私だけの独占席。
どれも、女のコが永遠に夢見るポジション。


この先、男と女であることをトランスして同士になっちゃうかもしれない不安。
どちらかの心移りでやってくるかもしれない別れ。
そんな一抹の影におびえながらも、フランネルは死ぬまで手放したくないと
人は思うんじゃあないだろうか。


恋は必ず終わるもの。
たとえ別れという形をとらなくても、男と女の間に生じるときめきは
やがて自然に消え失せるもの。
だれもがそんなふうに断言するけれど、果たしてそうなんだろうか?
ごくごく稀だけど、もう何年も付き合ってるけどフランネル的存在である
カレが男性としても大好きで今も愛してるっていう女性がちゃんといる。
こういう女性を、天下の果報者っていうんだろうね。
じゃあ、私たち全員が果報者にはなれないの?って思っちゃうんだけれど、
その鍵は運と努力によると思う。



運というのは、ずばりフランネルの関係になっても惚れ抜いていられる
相手に出逢えるかという運。
う〜ん、(シャレじゃないよ。)これはやっぱり運というしかないと思う。
もうひとつの努力に関しては、私たち誰もがそれによって果報者に
なれる可能性があるということ。
努力に関して、思いつくままを箇条書きにしてみるね。


*恋愛を活ける場所を時々変えてみる。
つまり、いつもふたりっきりでカレの部屋で逢うんじゃあなくて、親しい友人を
誘って飲みに行くとか、パーティーをするとか、カレを一輪ざしの菊みたいに
眺めるだけでなく何本も活けた花の中の1輪として時には鑑賞し、
やっぱりこの1輪は光ってるなあということを再認識する。
(万が一沢山の中で一番しょぼい場合は逆効果になっちゃうけど・・・・・・。)
遠くにドライブするとか旅にでるとか、ふたりしてとびきりおしゃれして
パーティーや普段行けないようなレストランに行ってみるのもいいと思う。


*カレの前ではオンナを貫く。
やっぱり、可愛いとか綺麗とか思わせる努力を怠らないことは
絶対条件。


*意表をつく贈り物で相手を喜ばせる努力を怠らない。
誕生日とか、バレンタイン以外に張り込んだプレゼントで相手を喜ばせると
いうのも大切。
だって普通の人は釣った魚にエサはやらないっていうふうになっちゃうから
その逆をいく。


*常に、「大好き」「愛してる」「あなたって素敵!」っていう言葉を
口走る。
フランス人みたいだけど、これって実はものすごく重要だと思う。



サテンのドレスを次から次へと買い換えるより、1枚のフランネルの
ワンピースを手入れして、終生大切にしいとおしみ続けるほうが
女性として素敵な人生のように思ったりする今日この頃・・・・・・。

日時: 2010年01月18日

Profile

南美希子

みなみ・みきこ
東京生まれ。テレビ朝日アナウンサーをへてフリーランスに。数々の番組でキャスター、コメンテーターとして活動。またオシャレ、結婚、子育て・出産、美容などのエッセイでも人気。著書に『オバサンになりたくない』『お嫁に行くまでの女磨き』『男の勘違い』他。まさに“Glamorous way of life”の先駆者レディ。