幸せをつかむ LOVE握力

 

Vol.6 カレの赤ちゃんが欲しい気持ちはわかるけど.....

 

 

アメリカの大統領選で注目を集めている
共和党のペイリン副大統領候補。
ミスコンの優勝経験者だという、
お色気ムンムンの美貌だけでなく、
17歳の娘の妊娠を公表したことでも注目されている。

一時はこの若すぎる妊娠が、政治家であるお母さんの足を
引っ張りそうな情勢だったけど、何と!
娘の恋人で、おなかの子供の父親である
18歳の超イケメンスポーツ選手が公の場に登場し、
若い二人の仲むつましい様子がメディアに載ってからは
一転して、ビバ17歳のママ!!みたいな雰囲気になってきた。
ちなみに、ネットではこの4月に生まれたばかりのペイリン候補の
5番目の男の子もホントは娘の子供じゃないかなんて囁かれている。

日本でも、14歳の母をテーマにしたドラマがスッポトライトを
浴びたこともあったっけ.....。
でも、私は言いたい。
声を大にして言いたい。
少なくとも、子供が子供を産むことには大反対!

 

昔、こんな事があった。
熱烈な恋をしているとき、私はカレの腕の中でこうせがんだ。
「ねえ、あなたの赤ちゃんを産みたいの.....」と。

告白すれば、子供を育ててみたいなんて気持ちはみじんもなかった。
子供ができれば、カレとの愛を永遠にできると思っただけ。
すると、わたしよりも大人で、結婚経験もある彼は急に
真顔になってこう答えた。
「赤ちゃんていうのはお人形じゃあないんだよ。」
その後もしばらく付き合っていたけれど、結局のところ
私たちは別れを選んだ。


はっきりとした理由は、今となっては思い出せない。
で、そのずうっと後にわたしは別の人と結婚して、生まれて初めて
母親というものになった。
風の便りによると、彼も結婚して子供を持ったらしい。
さらに、原因は分からないけどその彼はもうこの世にはいないという
話も最近聞いた。


もしもあの時、私自身の不純な動機で母になっていたらと思うと
ゾッとする。
愛を繋ぎとめる道具になる程、赤ん坊は甘いもんじゃあないと
いう現実を知ったからだ。
誤解を恐れずに言えば、母親である女からすべての自由と快楽を根こそぎ奪い取る
モンスターみたいな存在が子供というものなのだ。
(勿論、天使と悪魔が共存したこのモンスターを育てる事は、
かけがえのない幸せではあるけれど。)


育てることを放棄することは人間としてあるまじきことで決して許されない。
勿論、出来ちゃった結婚そのものを否定する気はない。
でも、友達との約束があっても、化粧の途中でも、
さらに言えば、トイレに入っているときでさえ、赤ん坊が泣いたら
途中で飛び出して抱き上げる覚悟のせめてかけらくらいは必要なのだ。
(慎重に考えすぎると子供を持つ労苦なんて、私には
とうてい無理って思っちゃうけれど。)
少なくとも親のすねかじりの身分や、学校に通っている分際じゃあ
無理だと思ったほうが賢明だ。

 


女ならではの幻想。
身も心も一つに溶け合って、この人とずうっとこうしていたいと
思うとき、この男の子供を産みたいと思う。
それ自体は間違ってはいない。
でも、身ごもって産むことは、つまり育てることなのだということをしっかり
噛みしめて欲しい。


日時: 2008年09月12日

Profile

南美希子

みなみ・みきこ
東京生まれ。テレビ朝日アナウンサーをへてフリーランスに。数々の番組でキャスター、コメンテーターとして活動。またオシャレ、結婚、子育て・出産、美容などのエッセイでも人気。著書に『オバサンになりたくない』『お嫁に行くまでの女磨き』『男の勘違い』他。まさに“Glamorous way of life”の先駆者レディ。