“減るもんじゃあないし、一回くらいいいじゃないか”と、 冗談まじりにカマをかけ、男たちは虎視眈々と獲物を狙っている。それを、やぼな口説き文句と勘違いして応じてしまう女の何と愚かなことか。
極論を言えば、男という生き物にとってsexとはしょせんその程度のものなのだ。四六時中、sexのことばかり考えて生きているのが男というもの。勿論、恋愛とリンクするsexもあるけれど、それだけでまかないきれないのが男の性なんだと思う。
しかしながら女にとってそれは、間違いなく減るものだ。粘膜がすり減るかどうか知らないけれど、「純情」が確実にすり減る。男と同じように虚勢を張って、“減るものじゃあ、あるまいし”と言いながら平気で寝てしまう女からは、二度と取り戻せない大切なものが逃げてゆく。代わりにその表情に、イヤでもはすっぱさが滲み出てくる。すると、本物の男は鋭敏にそれを嗅ぎ分け、間違っても自分にとっての大切な女性(ひと)には選ばない。ある意味、男はズルい。“減るもんじゃないし”と、自分たちと同じふるまいをする女をさんざん利用しておきながら、一方で同じふるまいをする女は、オンリーワンどころか、ナンバーワンには絶対選ばない。
“女にとって、恋とsexはコインの表と裏のようなものだ”。私がそう言ったら、昔、彼がこう言った。
“男にとって恋とsexはコインの表と表だよ”。涙が出るくらい好きな相手だったので言い争いになったけれど、以来、男とはそんな生き物なんだと何となく納得するようになった。
彼がいとおしいから寝る。彼のことが大好きだから抱かれる。“そんなの重てえよ”と言われても、女の信念は曲げてはいけない。勿論、女だって一時のあやまちを冒すかもしれない。でもそれはあくまでも・間違い。失敗。後味の悪いもの。
“恋とsexはコインの裏と表”と言う女を男は小馬鹿にしてみせたりするけれど、結局のところ男が大事にするのはそういう女なんだと思う。




