「元カノに、きちんと育てられた、男がいー!」
私達20代の女はたまに、そんなことを言う。10代の時は、“元カノ”なんて敵でしかなかったのだけど、20代で出会うほとんどの男に“元カノ”は付き物だし、だったらもう、素敵な元カノにいい男に育ててもらった男がいい、と私達は思う。
「元カノに、きちんと育てられた、男がいー!」
私達20代の女はたまに、そんなことを言う。10代の時は、“元カノ”なんて敵でしかなかったのだけど、20代で出会うほとんどの男に“元カノ”は付き物だし、だったらもう、素敵な元カノにいい男に育ててもらった男がいい、と私達は思う。
「“世界中の誰よりきっと”私にだけは絶対にナメられたくねぇ! って気合い入っちゃってるんだよね、彼……。だから、いかなる時も絶対に私の“上”に立たないと気がすまないっつーか。喧嘩が絶えないよ。はぁ、難しいね、恋人間の上下関係って……」
“対等”な恋人関係を理想に掲げる私達は、知らず知らずの内に矛盾して、気付いたらそこに“上下関係”をも求めている。(あれま!両方求めちゃってる!)。「私Mだから、Sな男が好き♪」とか「俺Sだから、Mの女がいい♪」というのもそのためで、男も女も、1対1の関係の中で、自分が居心地の良いポジションを与えてくれる相手を求めているのだ。きっとそれを私達は、「相性」って呼んでいる。それに“上下関係”と言っても、恋人同士のそれは時にとても、甘い。
「お互いをリスペクトし合える“対等な”恋人関係が理想♪」
とは良く言ったり聞いたりする台詞。そしてもちろんそれって一番理想的。互いに敬意を払えなければ、同僚とだって家族とだって友達とだって上手くいかないし、もちろん恋人とだってそう。これって、人間関係の基本みたいなことだ。でも私達がいちいちそれを言葉にして、理想と掲げる理由はひとつ。難しいから。どんな時も相手に敬意を払い、払われ、常に対等な立場にいるってのは、不可能に近い。“対等”って実は一番、難しい。
「男なんだから、泣くんじゃない」
もし、いつか、私が男の子のお母さんになったら、私は彼にそんな酷いこと、絶対に言わないようにしよう、と思っている。男だから泣いちゃ駄目なんて、アンフェアだもの。もし、「女だから怒るな」って風習があったとしたら、それこそ私はブチ切れて、「女だって怒っていいじゃねぇか、コノヤロウ!」という本を出版したことだろう。と、いうか、私が出すまでもなく、沢山の女性達がそう叫んだことだろう。でも、「男だって泣いたっていいじゃねぇか!」という男達の叫びは、あまり聞こえてこない。なんでだろう。きっと男達は、子供の頃から何度となくそう言われ続けてくる内に、いつの間にか自分達でも「男たるもの泣くべからず」と思っているような気がする。
「大丈夫、お前は、いい女だよ」
男がそう言って彼女の頭をポンッて叩いた時、女友達S(26)は「あッ」って思って、次の瞬間にはもう、涙が止まらなくなっていたという。
「ココロに出来ていたシコリみたいなものが、スーッと溶けてゆくような感じだった、そのコトバを貰った瞬間に……」
ずっと友達だったというその男を、「男として好きになっちゃった」と照れるSの顔には、本当に久しぶりに見た、ココロからの笑顔。